小説

死にたい夜に愛した女性達を想う自伝小説「死にたい夜に限って」感想

死ぬ」という言葉を、日常的に乱用してしまいます。

いけないとは、わかっていても、つい「マジで今日死んだわ」とか、

いや~死んでほしいわ

とか言ってしまうんですっよね・・。

長女(17歳)にも、咎められたりする始末です・・・(-_-;)

本当に私は、いろいろと母親失格な部分が多く、TwitterやInstagramで、子育てに尽力しているママさん、パパさんを見ると、何とも言えない気持ちになりますね💦💦

ごめんよ、娘達・・・。

「死」という言葉を、落ち込むことがある度に、口にしてしまう私ですが、今まで本気で「死にたい」とまで思うようなことは無く生きてこれました。

もちろん、辛い失恋をしたことも、仕事で過度のストレスを抱えて苦しんだことも、家庭での不協和音にストレスを募らせたこともありますが、「どうにかしないと・・・」という迷いの中で、過ごしているだけで、「だから、死にたい」とは、なかなか、ならなかったんですよね。

私自身が、精神的にタフなのか(それは無いとおもいますが💧)平凡な人生を歩んでいるので、それほどのエピソードがない為なのか・・・。

今回ご紹介する、「死にたい夜にかぎって」は、作者である爪 切男(つめ きりお)さんの自伝的小説です。

爪さんは、私と同じく40代前半で、香川見出身の文筆家さんです。

そして、その人生が、本当にまあ、泥臭く破天荒😲

私の人生がいかに凡百なものかと思い知らされます・・・。

死にたい夜にかぎって
爪 切男 作

あらすじ

・震災の起きた2011年春の東京。余震に揺れるアパートで6年間同棲をしていた、最愛の彼女・アスカに別れを告げられた爪さん

・彼女との別れを皮切りに、これまで彼が歩んできた人生と、愛してきた女性達の思い出、感謝、様々な思いが綴られています。

・幼い頃に蒸発して、顔もわからない母親を始め、しなびた乳を吸わせてくれた祖母

 中学の頃に「笑った顔が虫の裏側に似ている」と言って、ビンタを浴びさせてきた、クラスで1番可愛い女子。

・初恋だった自転車泥棒の女の子、初体験の相手だった車椅子の女性

・初めてできた彼女だった変な宗教を信仰しているヤリマンの女の子

・それらの思い出を通して、やっと見つけた最愛の女性であるアスカとの出会いや、壮絶な彼女の鬱との闘病生活、家族の関係、仕事の変化、そして、別れの時までが、爪さん独特の飾りない文章で率直に語られている作品です。

自分語りと感想

まず、最初の一文、

私の笑顔は虫の裏側に似ている。クラスで1番可愛い女の子が言っていたのだから間違いない。

という文章を読んで、ほぼほぼ、買うのは確定と言っても過言じゃありませんでした。笑

私は、こういう文章が書ける作家さんが大好きなんですよね。

私の中へ、淀みなくスルスルと入ってくる文章で、あっという間に読み終えました。

あまりに早く読んでしまうので、意識的に遅らせたぐらい。笑

作者の爪さんは、頭の良い方なんだろうなあ・・と感じました。

実際に、実家が多額の借金を抱えて貧乏で、片親ということを見下されない為に、勉強して、成績は上位だったというのだから、尊敬です!!

勉強が大嫌いで、向き合う努力を怠ってきた私からすると、「勉強」をちゃんとしてきた人たちって、眩しいんですよね・・😅

そんな爪さんの人生ですが、端から見たら、不幸な体験のオンパレードに思えます^^;

母親の蒸発に始まり、異常なまでに体育会系で厳しい父親からの暴力的な躾。

実家の借金も結局は背負い、出会う女性はかなりエキセントリックで、迷惑を掛けられてばかり・・・😰

でも、爪さんは「どんな不幸の中にも、ちょとだけ幸せを見つけて喜ぶ」ことができる人なんですね。

だからこそ、出会ってきた女性達のどんなところも、受け入れて愛することができるんでしょうね・・。

著書の中で、爪さんは全ての女性は「」である。と綴っています。さまざまな美しさをそれぞれに持つ、世界に一つだけの花だと。

男は「花瓶」だそうです。

花が美しさをどれだけ保てるか、その美しさをどう際立てられるかは、花瓶である男性にかかっていると。

そうだとすると、爪さんは、きっと、どんな花が活けられても、最大限に花が美しく、健康でいられるよう努力して形を変えてくれる花瓶のように思えます。

私はいったい、どんな花なんだろう・・・??

私に合う花瓶はこの世にあるのかな・・・。

と、ふと思わずにはいられませんでした😓

まとめ

今回は、40代男性である作者さんの、壮絶な体験や、数々の女性たちとの触れ合いの遍歴を綴った著書「死にたい夜にかぎって」を紹介させていただきました。

  1. 文章が飾りなく、ストレートで心に響く。
  2. 自分の弱さやズルさ、心の傷が隠すことなく、綴られている。
  3. 風俗通いや、オナニーについても、誤魔化さずに描かれている。
  4. スマートになんて生きられない。泥臭くて当たり前・・・というなぜか、自分の弱さも認めてもらえたような気持ちになる。

という魅力のつまった作品です。

爪さんの最大の魅力は「許せる」ことだと思います。

長く生きれば生きるほど、「ああ、やらかしちまったな・・・」という失敗が多くなり、後悔と自己嫌悪に苛まれる夜も多くなります。

自分が、どうしようもない人間だなあって、思って、訳もわからず痛くなる・・。

お酒に逃げてしまって、お酒のせいでまた気落ちが激しい悪循環。。。

でも、爪さんは女性を、いえ、女性だけではなく、すべての心弱い人の部分を大切に尊重してくれる優しさを感じます。

そして、なんと言っても皮肉めいた文章が面白い🤣🤣

私も死に急ぎたくなったら、爪さんと安くて美味しいものを食べたいと思いました。

興味がある方は是非読んでみてください。下からも購入できます↓