小説

90年代BLの傑作「終わりのないラブソング」を読み返したら思った事

S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像

JUNE(ジュネ)という、雑誌があったことをご存知でしょうか?

美少年同士の恋愛を、漫画や小説で掲載していた雑誌なんですが。。。

小学校で「りぼん」や「なかよし」の少女漫画を経て、中学で「少年ジャンプ」や、「サンデー」の少年誌にハマり、高校ぐらいからは、BLと、ちょっとHなシーンもある「少女コミック」にハマってました。

・・・わかりやすく、性的なことへの欲求が高まってきてたんですね(笑)

いえ、本当は、私の性への欲求はわりと早くに目覚めてたんですが、

「変な目で見られるのでは・・・」という戸惑いから、それを出せずにいたんです。

高校生になり、周りの子もそういうのを読んでいたので、ストッパーが無くなった・・・っていう感じでしたね。

今回は、私が初めて、どハマりしたボーイズラブの傑作「終わりのないラブソング」を紹介させていただきたいと思います。

この作品は、キレイな感じだったり、ギャグっぽいテイストのモノしか見てこなかった当時の私には、初っぱなの「二葉、もっと足開けよ」のセリフからして、センセーショナルで度肝を抜かれた感がありました・・・。

そして、物語を覆う、悲壮感というか・・・全体的な暗さと主人公の少年の巧みな心理描写が印象的な作品です。

初版がなんと、1991年と、今から30年前。。。(@_@)の作品であるのに、まったく色褪せず、上手く生きる事が出来ない、少年の傷や葛藤、青春、そして少年同士の愛が描かれています。

終わりのないラブソング
栗本 薫 著

あらすじ

村瀬 二葉 17歳の早春・・・は、男でありながら、自分にベタ惚れの暴走族のリーダー松村 武司のセックスの相手を務める毎日です。

二葉は、武志に子分たちの前で、レイプされ、力尽くで仲間に引き入られましたが、心の中では、クラス委員長である優等生の麻生 勇介恋をしてました。

二葉は生まれつき、華奢で、美しく、可愛らしい顔立ちの男の子でした。

・しかし、その顔立ちのせいで、幼い頃から変質者に性の対象とされる被害を受け、また、自分を産んだ親や、からも「家族の誰にも似ていない」「男を誘っている」と異質な存在として扱われていました。

人を愛することを知らない二葉は、自分を助けようとする勇介すらも、拒み、傷つけ、孤独の中を彷徨います。

・そんなある日、武志の暴走族グループは警察に一斉に捕まり、一緒にいた二葉も「売春」というレッテルを貼られ、少年院に入れられてしまいます。

・少年院の中でも、力弱く、可愛い二葉は、全員のオンナ役となり、毎日誰かの相手をさせられていました・・・。

・ある日、少年院に、三浦 竜一という、恐ろしく強く美しい獣のような少年が新しく入ってきます。

・最初は、二葉を「誰とでも寝る公衆便所」と蔑んでいた竜一でしたが、次第に二葉の内に秘めた、強さや美しさ、孤独に触れ、二葉愛しく思うようになります。

二葉もまた、恐ろしく強く、孤独な竜一に、惹かれていくのでした

自分語りと感想

この作品のテーマは「永遠の愛」だと思います。

ここまで読むと、村瀬二葉という男の子は、か弱く儚げで、ふんわりとした印象を受けますが、二葉が儚げなのって、実は見た目だけなんですよね(笑)

物語は、すべて二葉の一人称で進められ、読み手には二葉の心が丸わかりなのです。

そこでわかるのは、二葉は、力が弱いので、男達にいいようにされてしまってますが、内に秘めた気性は激しく、そして、ニヒルな皮肉屋だという事です。

家庭に愛情が無かったことと、幼い頃から、性被害に合う事が多かったので、感情が麻痺してしまって、誤解される事が多く、本人も敢えて否定しません

ですが、全く見当違いの善意を押し付ける輩や、二葉を「汚いもの」呼ばわりする「普通の人」に対して、の二葉の心情は、皮肉がきいてて、激情的でたまにクスリと笑えます。

対して、三浦竜一という少年は、底辺ヤクザの父親に育てられ、命の危機に及ぶような暴力に曝されながら、必死に生き抜いてきました・・・。

守ってくれる存在はおらず、生きるためには、「誰よりも強くなること」が必然だった為、二葉が出会ったグレている少年たちの中でも、群を抜いて凶器的な雰囲気をまとってます。

育ちも、性格もまるで違う二人ですが、社会はおろか、親からも必要とされずに生きてきた二人は、やがて惹かれあい、恋に落ちるのです・・・。

作者の栗本薫さんは、よどみなく流れるような文章で、それでいて、とても丁寧に竜一に対する、二葉の感情の変化や戸惑い、そして「愛してるということに気づいた時の二葉の変化を書き切ってます。

そして、竜一もまた、二葉を愛し始めたことが二葉の目線を通して伝わり、物凄くキュンキュンします。

BLモノにもいろいろありますが、この作品は

この愛を失ったら、もう生きてはいけない」という悲壮な覚悟での愛を描いている作品です。

まとめ

今回は90年代の私がはまったBL「終わりのないラブソング」を紹介させていただきました。

30年の月日が流れているので、作者である栗本 薫さんは、亡くなられてしまってたんですね・・。ご冥福をお祈りします。

最近驚いたのが、この作品の挿絵を描かれている、漫画家の吉田秋生先生の代表作BANANA  FISH」が再ブレークしてるって事です!!

私も吉田先生の絵も、その作品も大好きだったので、やはり良作は時代を超えるんだなあと、思いました。

この、終わりのないラブソングも、時代を超えれると思います。

ちょっと、「番長」とか「アンパン」とか、今の若者には、わからない感じはあると思いますが・・・笑。

私は、普遍的に「孤独な魂が救済される物語」が大好きです。

もし、興味をもてたらご一読ください。↓↓↓

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